平屋の現実 その1
「平屋は高い」というイメージがあることから
ホントは平屋にしたいのに
最初から諦めている方も決して少なくないと思います。
実際、2階建てのお家に比べて
価格に割高感があるのは確かだし、
原材料費の値上がりによって
なおその肌感覚が強くなっているような気もします。
しかし、感覚的ではなく論理的に考えてみると、
実のところ平屋と2階建てとの間には
そう大きな価格差が生まれるわけではないので、
その理由について今回はお伝えしていきたいと思います。
それをご理解いただき、
平屋の建築が可能な土地であれば、
平屋を前向きに考えてみてください。
結論から申し上げると
平屋が高くなりすぎないのは、
「2階建てに比べて面積を圧縮できるから」ですが、
では、なぜ平屋は2階建てに比べて
面積が圧縮できるのでしょうか?
✔2階建てにあって平屋にないもの
まず考えていただくところがこれです。
例えば「階段」。
2階建てには100%必要で、
平屋には100%不必要なスペースです。
実は階段は上下合わせると2坪(=4帖)必要なので、
これがなくなればその分家はコンパクトになりますよね。
続いてが「トイレ」。
これも2階建ての場合は、
上下階ともに必要になりがちですが、
平屋になれば基本1つで行けますよね?
(2つ欲しいという方もありますが)
となると、1帖(=0.5坪)分、
さらに家をコンパクトにすることが出来ます。
まずはこれが、面積が圧縮できる要素ですね。
この他、平屋は2階建てに比べて
「廊下」を少なくしやすいので、
設計によってはさらに面積を圧縮出来たりします。
✔2階建てと平屋の決定的な違い
平屋と2階建てには違いがいくつも存在しますが、
その中でも私自身が決定的に違うなと感じるところが
「家の使いやすさ」です。
2階建ては、
掃除にせよ、片付けにせよ、洗濯にせよ、
上と下とを行ったり来たりしないといけないのに対し、
平屋の場合は全て平面移動だけで事が足りるからです。
また、当たり前のことですが
平屋は子供部屋も1階にあるため、
2階建てに比べて圧倒的に
子供たちが自分の部屋を使いやすくなります。
結果、リビングに散乱しがちな
子供たちの勉強道具や遊具などを
自分たちの部屋に片付けやすくなるし、
衣類なども同様ではないでしょうか。
そんなわけで何が言いたいのかというと、
子供部屋と寝室以外の
余分な部屋をつくる必要がないということです。
2階建ての場合にかなり高い確率でつくる
「客間」的な意味合いが強い部屋のことですね。
2階建ての場合は、
子供たちが小さいうちの「収納」的な意味合いと、
親御さんが泊まりに来た時の「寝所」的な意味合いと、
やがて迎える老後の「寝室」的な意味合いを兼ねて
つくらざるを得ませんからね。
そんなわけで、平屋にすると決めた時点で
この部屋代は丸々浮くと考えていただいて支障はないと
思っている次第であります。
4.5帖~6帖(2.25坪~3坪)といったところでしょうか。
いかがでしたか?
こうやって冷静に考えてみると
実は、平屋は2階建てに比べて
ずいぶんと面積を圧縮することが出来るため、
2階建てとそう変わらないか、
あるいは安く建てることが出来たりするんですよね。
ただ、平屋の場合は間取りのつくり方が
2階建て以上に難しいのもまた1つ事実なので、
次回は「平屋の懸念点」について
お伝えしていきたいと思います。