家づくりの一丁目一番地

2024/04/02
SIMPLENOTEブログ

家づくりの資金計画では、

土地取得費+建築費+外構費+別途経費=自己資金+借入金、

この計算式の左右のバランスを整えていくわけですが、

左から研鑽を進めていくのと右から計算を進めていくのでは、

家づくりの進め方や建てた後の暮らしに違いが生じます。

 

結論から申し上げると、

左から計算を進めていけば

土地にせよ家にせよ理想に近い状況を実現しやすい反面

資金面にしわ寄せが来やすいのに対し、

右から計算を進めていけば

資金面を優先することになるため、

土地にせよ家にせよ

厳しい現実を目のあたりにしやすくなるというわけですね。

 

もちろん、これは自己資金や所得、

土地のあるなしによって異なるため、

一概には言えないのですが、

ほとんど自己資金を入れない状態で

土地から買って家を建てる方には

『家づくりで最も大事なことだ』

と言っても過言ではないと思うので、

どうぞ最後までお付き合いいただければと思います。

 

では、分かりやすく

リアルに具体的な数字を挙げながら

その違いを説明していきますね。

 

✔左から計算を進めていった場合

 

例えば、住みたいエリアの

土地相場が1000万円だとして、

建てたい家の大きさが40坪ぐらいだとしたら

家の総額は3000万円ぐらいになるのですが、

これに外構費用として200万円、

地盤改良費として100万円、

それ以外に必要な経費として200万円、

が別途でかかるとしたら

家づくりの総予算は4500万円となります。

 

そして出せる自己資金が300万円だとしたら

4200万円を銀行から借りることになるのですが、

これをボーナス払いなしで借りる場合、

0.7%の固定金利選択型の場合なら

毎月の返済額が112,778円で、

1.4%の固定金利型の場合なら

毎月の返済額が126,550円となります。

 

つまり、これから35年という長期間

どんなことがあってもこの金額を

銀行に返し続けないといけないというわけなのですが、

果たしてこれは現実的な話なのでしょうか。

 

仮に夫の収入が400万円だとしたら

手取りの半分がローン返済で飛んでいくことになるし、

500万円あったとしても

手取りの40%以上がローン返済で飛んでいくことになるし、

600万円もあったとしても

手取りの33%ぐらいがローン返済で飛んでいくことに

なりますからね。

 

問答無用で奥さんは

働き続けないといけないですよね。

 

おそらく今後は、

所得が上がるどころか下がる可能性の方が高いし、

倒産やクビになるリスクもゼロではないし

それ以外にも健康的リスクもあれば、

親の介護問題なども可能性としては

全く無いわけではありませんからね。

 

そんなわけで個人的には

左から進めていくやり方ではなく、

資金面を大切にする右から進めていくやり方を

オススメしているというわけです。

 

✔右から進めていった場合

 

右から進めていった場合、

先程お伝えした300万円の自己資金に

無理のない返済額から

逆算した借入金を合わせた額で

家づくりの計画を立てていきます。

 

仮に毎月の返済額を

8.5万円までに抑えたくて

かつ、固定金利にしたいのであれば、

借入額は2900万円が上限となるので、

合計3200万円で土地・家・外構の

予算振り分けを行っていくという感じですね。

 

となれば、

別途経費と地盤改良を合わせた

300万円は同じようにかかるので

残りの2900万円で

予算の振り分けを行うのですが、

この場合弊社であれば、

外構工事は『土地の坪数×1万円』で計算するので

土地面積を50坪にするなら50万円にし、

残りの2850万円でどんな家を建て、どこで土地を買うか

を相談していくという流れを取っています。

 

具体的には、仮に家の予算を2300万円にするなら

土地予算が550万円となりますが、

この場合2300万円という予算をなるだけ超えないように

間取りのヒアリングをさせていただくし、

550万円という予算の中でまずは土地を探すようにしている

といった感じでしょうか。

 

もちろん、土地予算も建築予算も

ずいぶんと厳しいものになるので、

やりたいことを厳選していただくことになる可能性は

高くなってしまうかもしれません。

いや、おそらくそうなるでしょう。

 

しかし、今後35年もの間ずっと

毎月の可処分所得が3~4万円も違うとなれば、

かなり違ってくるのではないでしょうか。

 

オススメはその浮いた資金を

積立投資に回していただくことですが、

右から計算して家づくりを行いつつ

積立投資を35年間し続けた方と、

左から計算して家づくりを行い

積立投資をしなかった方とでは、

35年後には5000万円以上

保有資産に差が生じているかもしれません。

 

なので、この違いをご理解いただき、

暮らしの豊かさと経済的な豊かさのバランスが取れた

家づくりをしていただけたらと思います。