廊下が低下させる2つの機能

2023/12/17
SIMPLENOTEブログ

個人的には、出来るだけ

『廊下』をつくらないようにしながら

家を建てるべきだと考えています。

 

というのも、

ただ通るだけの機能しか持たない廊下と言えど、

つくるためには部屋や収納と

同じだけのコストがかかるからです。

かつ、廊下はこれからお伝えする

2つの大切な機能を低下させる原因にもつながるからです。

 

では廊下が低下させる2つの機能とは何か?

まず1つ目が『断熱性と気密性』です。

といっても、

廊下があるからこれらの機能が低下する

という意味合いではなく、

廊下があることによってその本質的な良さを殺してしまう

という意味合いです。

 

高断熱化する意味は、

外の空気の影響を受けにくくすること。

つまり、昔の家みたいに『外と中の気温一緒やん!』

というような状況をなくすためですね。

 

そして、高気密化する意味は、

中の空気を外に逃さないようにすること。

つまり、昔の家みたいに『これ本当にエアコン付けてる?』

というような状況をなくすためですね。

 

で、この2つの相乗効果によって

家の中全体に空気が行き届きやすいし、

どこにいてもそれほど温度差がない住まいをつくる

という感じなのですが、

この素晴らしい機能を殺してしまうのが実は廊下です。

 

廊下へと通じるドアは閉め切ってしまいやすいからです。

つまり、そこで空気の流れを断ち切ってしまうという訳です。

たとえ、ドアの下から多少は空気が

流れるようになっているとはいえです。

 

また、廊下と同じような役割を果たすのが『階段』です。

リビング階段が主流となった現在は、

冷暖房の効果が感じにくい2階の廊下から

冷やりとした空気が階段を通じて流れてきますからね。

 

そんなわけで廊下もなくした方がいいし、

階段もなくした方がいいと思っている次第であります。

つまり、階段と廊下が必ずといっていいほどセットでくる

2階建てではなく平屋にした方がいいということですね。

 

そうすればコストも安くなるし、

体積も小さくなり冷暖房効果がもっと良くなりますしね。

 

✔みんなが大好きなアイデア

 

そして、廊下によって低下するもう1つの機能が『収納力』です。

つまり、収納を通り抜けたいがために

収納の中に通路をつくってしまうことがよくないということですね。

 

例えば、3帖のウォークインクローゼットは

縦が2.6mで横が1.69mなので

ここには棚1段あたり約5.5m分の物を置くことが出来るのですが

このクローゼットを通り抜けるようにした瞬間、

実は置ける物の量が半分まで低下してしまいます。

3帖のうち1.5帖は通路として確保いないといけないからです。

 

結果、収納をたくさんつくったはずなのに、

いざ荷物を置いてみると、思っていた以上に置けなかった…

という最悪な状況が待っているという訳ですね。

 

その上、ドアも1つ余分に必要になるし

スイッチも1つ余分に必要になるので、

その分コストが上がってしまいます。

 

いかがでしたか?

たった廊下1つの考えだけで、

家の機能性もコストも随分と変わるということが

お分かりいただけたのではないでしょうか。

 

ということで、

『なんとなく2階建てにすること』

『闇雲に通り抜け動線をつくること』

この2つには注意しながら

家づくりをしていただけたらと思います。