資金計画より大事なこと
家づくりを具体的に進める前に『資金計画』をする事は
どこの住宅会社でも当たり前になりつつありますが、
この資金計画をするにあたり、何より大事な事が
『何を根拠にローンの返済額を決めたのか?』です。
この根拠がしっかりしていないと
住宅会社の都合が良いようにあれよあれよと
予算を上げられやすいのです。
特に原材料費のインフレによって
建築コストが上がりつつある現在は、
その度合いも大きくなりがちなので、
どこまでなら大丈夫でどこからがダメなのかのラインを
自分自身が把握しておけるように
資金計画をする前に一工夫していただく事をオススメしています。
というわけで今回は、
『資金計画の前準備』についてお伝えしていきます。
要は、資金計画では最初に銀行からの借入額を決定するので、
借入額を決定するにあたり必要な三要素
『返済額』『金利』『年数』の中の『返済額』をいくらにすべきなのかを
決定するための根拠を出すという事です。
✔家計の収支と今後を考える
現実を向き合い過ぎるとブルーになるので、
私自身もあまり正確に収入や支出を把握したくないのですが、
家を建てる時、まずこの作業から始めるべきなのは間違いありません。
どれくらいずつ収入があって、
その中で何にどれくらいお金を使っていて、
どれくらいを貯金や保険に回しているのかを
全て洗い出して把握するという事です。
出費の内訳としては、
家賃、駐車場代、電気代、ガス台、水道代(下水道代)、家の家財保険代、
車のローン、ガソリン代、車検代、車の保険代、車の税金、車のメンテ代、
習い事代(塾代)、携帯代、ネット&TV代、美容室代、外食代、衣料品代、
旅行代、サブスク代(音楽・本・新聞・映画など)、食料品代、日用品代、
小遣い、貯金、生命保険代、医療保険代、学資保険代、
といったところですかね。
あと奨学金がある場合、そのローン返済もです。
なので、まずはこれらにどれくらいのお金がかかっているのか
正確に把握する事から始めていただければと思います。
そして、次に考えていただきたいのが、
今後はもっと子供への出費が増えるという事、
家を持つと更に出費が増えていくという事です。
出費が増える理由は、子供の成長と共に
食費・旅費・習い事や塾代・携帯代などが高くなるからです。
その上、大学に行くとなれば、
県外なら学費の上に家賃と生活費が、
県内なら学費の上に車代とガソリン代、車検代と保険代と税金が
それぞれ必要になってくるので、
早い段階からその備えをしていかないと
家計が日の車になるのは不可避なのです。
また、家を持ったからには当然
維持していくためのお金も必要となります。
まず、4月に納税通知書が届く固定資産税。
次に、火災保険。(入るなら地震保険も)
そして、定期的な外壁塗り替え費用。
(15年に1度ぐらいのペースです)
更に、水回りの入れ替えの伴う修繕工事。
(20~25年に1度ぐらいのペースです)
最後に、家電製品の買い替え費用。
これらが家を持っている限り必要となるコストなのですが、
要はこれらの資金の事まで考慮した上で
毎月のローン返済額を決めた方がいいという訳です。
じゃないと、家のローンを上積みして
子供たちの進学資金や定期的な修繕費用をローンに頼る事になり、
死ぬまでずっと借金地獄から抜け出せなくなってしまいます。
家計が厳しくなれば車だってローンで買うしかなくなるでしょうし…
という訳なので、
単純に家賃と比較していけるかどうかを決めるという
危険な賭けだけは絶対にしないでもらえたらと思います。
家計の収支と今後の必要経費を全てテーブルの上に出し
把握した上で返済額を決める。
面倒臭がらずこのルールに従って
家づくりを一歩一歩進めていただければと思います。
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