平屋の魅力 その3
60歳を超えたお客様がいらっしゃった場合、住宅会社は当たり前のように平屋をすすめます。2階建てではなく。
他方、30代のお客様がいらっしゃった場合、住宅会社は当たり前のように2階建てをすすめます。平屋ではなく。
これは一見、そのお客様に合わせた合理的な提案のように感じるかもしれません。しかし、この提案は、果たして本当に正しい提案と言えるのでしょうか?
というのも、30代の人だってやがては60代になるのです。それなら最初から、先のことまで見通した間取りにしておいた方が合理的だからです。
歳をとってから、1階の部屋や収納不足を理由に1階に増改築工事をすることになれば、大切な老後資金をたくさん失うことになってしまいますしね。
✓今のことだけを考えないこと
では、なぜ住宅会社はそのような提案をしてしまうのかと言うと、お客様も住宅会社も今の生活を中心に間取りを考えてしまうからです。
まぁ、若いうちは階段の昇降もそれほど苦じゃないし、子供たちには個室の子供部屋を与えてやらなきゃと思っているし、なにより『家といえば2階建て!』という先入観が頭の中に刷り込まれてしまっているから仕方ないですよね・・・。
とはいえ現実は、2階をつくっても、子供たちは、小さいうちは自分の部屋を使わないし、いずれ家を出て行きます。歳をとれば階段の昇降も確実にしんどくなり、そのうち行く気も失せてしまいます。
✓ランニングコストまで考慮した提案が大切
家を建てる時、最初にかかる建築コストばかりに目を向けてしまいますが、生涯維持し続けていかないといけないので、ランニングコストにも目を向けないといけません。
生涯必要な光熱費はもちろんのこと、家と土地の両方にかかる固定資産税、外の部材の劣化を防ぐための修繕費用、そして、数十年後必要になるであろう増築や改築といった費用のことですね。
これらを踏まえて考えると、『平屋』は非常に合理的な考え方です。
平屋にすれば、全ての部屋と収納が1階に集約されているため、老後に部屋や収納不足に困ることがまずありません。それゆえ、将来増築する必要もありません。
また、2階に上がる必要がないので、足腰が弱くなってしまった時も、掃除や洗濯の為にいちいち階段の昇降をする必要がありません。
さらに、平屋にすれば、メンテナンスとして行う外壁などの塗り替え工事の際も、外部足場を組む必要がないため、それにかかるコストも抑えることが出来ます。
つまり、歳をとっても住みやすいだけでなく、歳をとってからの出費を最小限にしてくれるのが『平屋』というわけですね。
ということで、もちろん今のことも大切ですが、今だけでなく、ずっと先のことも見据えた上で、家づくりをしていただければと思います。