敷地の無駄遣いになる3つの❝当たり前❞
『建ぺい率』とは、その土地に一体どれくらいの大きさまで1階をつくっていいのかを示す基準です。例えば、土地の広さが40坪で建ぺい率が60%の場合、その土地には、40坪×60%=24坪まで、1階をつくってもいいということになります。
出来れば制限いっぱいまで1階を大きくつくることをオススメします。もちろん、車を何台停めるつもりなのか、庭をどのように使うのか、によっても違ってきますがね。
その方が、より家が使いやすくなるし、耐震性・耐久性も高くなるし、庭の維持管理の手間も少なくて済むからです。
しかし、これからお伝えする3つの理由から、多くの方が敷地をあまり有効活用出来ていません。
その1:『日なた』に建てるのが当たり前
日当たりのいい家にすることが大前提なので、日陰が極力出来ない土地を探すことや、日陰が出来てしまう土地であれば、日陰を避けて間取りを考えることが、家づくりにおいて当たり前となっています。
しかし、果たして全ての部屋を日当たり良くする必要はあるのでしょうか?全ての部屋を南向きにする必要はあるのでしょうか?
もしも日陰に配置しても構わない部屋があるとしたら、無駄に敷地を余らせるよりも、日陰となる部分を利用するという選択肢が出てくるというわけです。
その2:プライベートルームは2階につくるのが当たり前
ハウスメーカーのモデルハウスはもちろんのこと、現在建っている家のほとんどが、この原則を基につくられています。
それゆえ、それが当たり前なんだと、知らず知らずのうちに頭に刷り込まれていっています。
しかし、小さなお子さんは、2階につくった自分の部屋を使うでしょうか?何歳になったらその部屋で1人で眠るでしょうか?わざわざその部屋まで荷物を片付けに行くでしょうか?
また、子どもたちはやがて家を出て行きますが、その後、その部屋の使い道はあるのでしょうか?
そう考えてみると、敷地にゆとりがあるなら、1階にプライベートルームをつくるという選択肢があってもいいと思いますが…
その3:2階建てはコスパがいいという当たり前
言い換えるならば、平屋は高いという理屈ですね。確かに同じ面積で比べれば平屋の方が高くなりますが、それも作り方次第ですので、ここからは、そうならないための考え方についてお伝えしていきたいと思います。
✔コストをアップさせない工夫
まず1つ目の工夫が『廊下をなくす』ということです。プライベートルームを全て2階につくった場合、それぞれの部屋に行くための廊下が必要となるのですが、プライベートルームを1階にも分散してつくることが出来たら、この廊下を少なく出来たり、あるいはゼロにすることが出来ます。
また、2階につくる部屋が少なくなれば、2階にトイレをつくる必要もなくなるので、トイレのスペースやコストもカットすることが出来ます。
そして2つ目の工夫が、『プライベートルームを必要以上に大きくつくらない』ということです。
というのも、寝るとき以外は、ほぼリビングで過ごすからです。つまり、寝室にせよ、子どもたちの部屋にせよ、言うなれば、ただ寝るだけの部屋だから、広くする必要が無いということです。
このように色々工夫が出来れば、住み心地や使いやすさを全く損なうことなく、面積・コストをカットすることが出来ます。
ということで、家づくりの常識を鵜呑みにしてしまうのではなく、別の角度からも考えていただき、合理的で使いやすく住みやすい、それでいてコストも手頃な家を建てていただければ…と思います。
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